賃貸入居率を上げるために、効果的な対策

賃貸物件の工事は、細かい修繕が多く、管理会社(不動産業者)や所有者からご連絡をいただいて工事を行います。

ただし、築年数が経ってくると、賃料が下がるだけではなく、入居率が下がるという問題も発生します。

入居率が下がると賃貸収入が減るのみならず、建物の傷むスピードも速くなります。

 

共用部の清掃や、外壁の塗り替えなどもきちんと行っている場合は、部屋の設備や性能が相場より低いのかもしれません。

そんな時は賃料を下げるのもセオリーですが、それでも空室が改善しない場合、空部屋をリノベーションをするのも手段です。

今回は、浜松の賃貸物件(和室2DK)の物件について、実際のリノベーションの様子をご紹介いたします。

※この物件は現在入居中になっています。

 

 

 

集合住宅のリノベーション

賃貸集合住宅は鉄骨造かRC造であることがほとんどです。

まずは新築時の設計図面を確認して、どのような工事が可能、不可能であるか確認します。

築30年以前になると、和室が多く、リビングとダイニングが分かれている物件が増えます。

間取りの変更についても、構造を確認しますが、壁式RCや木造の場合、大幅な間取り変更は難しいことがあります。

 

 

 

間取りを決める

周囲の環境や需要に基づいて、ターゲットと想定する入居者を決めます。

今回は浜松でも子育て世帯に人気のあるエリアだったので、ファミリー・夫婦世帯を想定して、2DK→1LDKの間取りにしました。

賃貸物件なので、予算内でどこを優先するか選択し、主な工事内容は次の通りになりました。

 

 

① 和室→洋室

定番のリフォームですが、今回は床仕上げ材をフローリング(木製)ではなく、クッションフロアにしました。

クッションフロアはある程度衝撃を吸収するので、遮音性が高いという特徴があります。

賃貸物件は、騒音トラブルが多いためおすすめの素材で、水にも強く、汚してしまった場合の貼り替えも容易で、価格も抑えらます。

 

 

② ユニットバスを大きくする

もともと、浴室が0916サイズという単身者用のサイズだったため、壁の位置を動かすことで、1216(0.75坪)という一般的な大きさに変更しました。

水回りは特に賃貸物件では大切なポイントとなるため、トイレも交換し、ドアも引き戸にすることで、壁厚を45mm細くしています。

 

 

 

③ 廊下を無くして居室を拡大

住宅において、廊下というのは無駄なスペースになりがちです。

今回は廊下を無くして、玄関ホールと洗面室を広げたため、洗面化粧台を幅550mmから幅750mmに交換できるようになりました。

水回り設備の広さは、視覚的にも分かりやすく、入居者の方に喜んでいただけるポイントです。

 

 

④ キッチンを対面式へ

賃貸物件の検索サイトでは、条件を設定して物件を検索することができます。

バス・トイレ別、南向き、屋内洗濯機置き場といった条件ワードがあり、その中でも人気があるのが、対面式キッチンです。

特にファミリー層の入居者において、対面式キッチンという条件で検索する方が増えています。

賃貸物件検索サイトをもとに、需要がある設備を導入するのは有効な手段です。

 

 

 

入居率が下がったら、リノベーションを検討

入居率が下がってきたら、修繕やクロスの貼り替えでは効果が出ないことがあります。

現在の浜松市の賃貸需要に合わせて、入居者の好むデザインや設備を取付することが大切です。

今回ご紹介した、和室→洋室、ユニットバスを広げる、廊下を無くす、対面式キッチンはどれも有効な手段です。

 

きちんと手入れすることで、建て替えでコストをかけなくても、入居率を改善できることがあります。

ちなみに、一括借り上げ(サブリース)を考える方も多いですが、メリットもある反面、デメリットもあります。

消費者庁のサブリース契約に関する記事が分かりやすいので、検討中の方はご覧ください。

 

築年数が経っており、劣化が直せないほど進んでいたり、立地的に需要がない場合は、修繕はお勧めしないという回答になることもあります。

まずは現場を見ての判断になりますので、もし賃貸物件のリノベーションでお悩みの場合は、一度ご相談いただければと思います。