住宅の防音・遮音リフォームの基本

この記事では、これから住まいの防音を行う方のために、防音工事における基本となることをお伝えしたいと思います。

 

防音材は、毎年いろいろな商品が様々な価格で出てきますので、防音材を選択する方法、おすすめの防音材も併せて解説していきたいと思います。

 

 

 

防音材は対象とする音が決まっている

まずは自分が防音対策したいと思っている音が何なのかを明確にしましょう。人の話し声、犬の鳴き声、ピアノの音。私たちの生活には様々な音であふれています。

 

問題は、たいていの防音材は特定の音に対して性能を発揮するということです。正確に言うと、それぞれの防音材ごとに得意な周波数帯が決まっています。これを貼ればどんな音にも効果が高いといった防音材は少数です。自分が防音をしたい音が何か明確にすることが大切です。

 

 

 

防音材を組み合わせることで、防音効果を高める

防音材はそれぞれ得意とする周波数帯が異なるというのが前項のお話でした。それではピアノ用の防音室を作る場合のケースはどうなるでしょうか。

 

ピアノは周波数帯の広い音源であり、防音材の量を増やしても効果は限定的なので、複数の防音材を組み合わせていくのが効果的です。たとえば、室内壁に吸音材であるウレタンマットを貼り、壁内に遮音シートを張り付けるといったように、別々の役割を持った防音材を配置するのが最も効果的です。

 

2階から1階への音抜けの対策であれば、重低音に効果があるインシュレーションボードと、中高音に効果のあるグラスウールを組み合わせることも有効です。

 

また、防音は一か所だけしても効果は低く、まんべんなく対策することが大切です。壁の防音対策をしていても、窓やドアといった開口部が未対策だと音が漏れてしまいます。後付けの二重窓を取り付けたり、パッキン付の防音ドアに取り換えることが効果的です。

 

防音効果を確かめたい場合は、小型の模型を作って中に音源を入れて、音漏れを計測することも行います。防音室を作る場合は、事前にどのように聞こえるか試しておくと安心です。

 

 

 

万能の防音材はあるが、デメリットも大きい

最初の方で、どんな音にも効果が高いといった防音材は少数とお伝えしました。実は、物体は質量が大きければ大きいほど、音を通しにくくなります。この法則を質量則といい、重いものほど防音材として優れています。

 

典型的なのは鉛で、鉛板は音を始めとしていろいろな物を高い性能で防ぎます。放射線まで防ぐので、原子力発電所でも鉛板は多く使われています。

 

デメリットは重量があり、価格も高いことです。当社では住宅用鉛板というものを取り扱っていますが、1㎡あたり30キロを超えるため使う場所が限られます。必要なところに絞って使うのが良いでしょう。

 

 

 

まとめ

防音室を作りたいときは、防ぎたい音の周波数を明確にすること。防音材のデータを比較し、該当する周波数に対して効果の高いものを選ぶことがポイントです。