建築士が語る|選択と集中で理想の家を作ろう!
中古住宅を取得、新居として住む方へ
私たちのお客様でメインになるのが、
中古住宅を購入、これから新居として住む方です。
こういった建物全体にかかる工事をリノベーションと呼んでいます。
中古住宅×リノベーションというやり方は、
コストを抑えつつも注文住宅以上に自由なプランを実現できます。
そこでプラン設計と同じく、大切になるのが予算管理です。
リノベーションの予算管理
新築・リノベーションに限らず、初めて家を建てる方は
費用を削るときに、製品のグレードを下げるという選択をしがちです。
ですが、例えばキッチンを標準的なグレードから廉価品に変えても、
費用が半額になることはほとんどありません。
それどころか、下がる費用は1割程度ということが良くあります。
つまり、グレードを下げるというやり方は、
コストパフォーマンスが悪くなる傾向があるのです。
賃貸住宅等でとにかく費用を下げたいといった場合を除いて、
マイホームにおいて予算管理のためにグレードを下げるのはおすすめできません。
選択と集中
住宅のいろいろな箇所に、まんべんなくお金をかけると、標準的な家が出来上がります。
せっかくのリノベーションなので、良い空間を作りたいものです。
そこで大切になるのが予算の配分です。
コアとなる空間を決めて、そこに集中的に資金を使う。
他にはない、自分だけのオリジナルなマイホームを建てることができます。
私は、このやり方を「選択と集中」と呼んでいます。
例えば、夫婦の寝室や子供部屋といった家族だけのスペースは、
照明はそのまま、汚れたクロスの貼り替えだけにしておく。
ただし、家族の団らんのメインになるリビングは、
無垢の床板とシナの天井板を使い、
ダウンライトと間接照明でライトアップして豊かな空間にするといった感じです。
過去のお客様では、2階はそのままにしておいて、
1階にはキャットウォーク・階段・キャットドアといった
飼っている猫のための設備を設置した方もいらっしゃいました。
削ってはいけない箇所もある
メンテナンス系は削るべきではありません。
現行の建築基準法を満たさない場合は耐震補強を。
雨漏りを防ぐためには屋根・外壁の塗装も必要です。
いずれにせよ、費用のことを最もよく分かっているのは施工業者です。
塗料の質を下げたり柱を省略すれば、簡単に値段は下がります。
業者選びの際はよく相談し、しっかり工事をしてくれそうか、という点も忘れないようにしましょう。