キッチンに窓を付けて、明るく風通し良くする

キッチンのリフォームをするとき、良くいただく質問が窓を付けることはできるか?・・・です。

間取り設計上、リビングを南に持ってくるため、キッチンや水回りは北側になりがちです。

そのため、太陽光をうまく取り込めず、日中でもなんだか暗いと感じる方が多いようです。

 

この記事ではキッチンの窓の新設や拡大のリフォーム、工事の流れと失敗しないためのポイントについて解説していきます。

 

 

 

キッチンの窓の役割は、採光と通風

キッチン窓の役割は二つあり、光を取り込む採光と風を通すための通風です。

 

キッチンは北側にあることが多く、日当たりが悪いことが多いため、採光に関してはあまり良い環境とは言えません。

特に、リビングとキッチンが分かれている場合、南向きの窓がないため、余計に暗く感じることが多いです。

窓があると自然の光を取り込んで、開放的な雰囲気になりますが、壁付キッチンの場合は、正面に窓が無いと閉塞感が出ます。

 

採光目的の場合、窓は大きめにしたり、左右に複数の窓を設けて面積を広くとった方が良いでしょう。

さらに、大きめの窓を付けることで、景色や庭を楽しむことができます。

隣家が近い場合は、窓前に植栽を植えることで、景色を楽しみながら調理することができます。

 

キッチンの窓のもうひとつの役割は通風です。

窓は二か所開けると風が流れるようになるため、特に南北に二か所窓があると、夏の季節風が通りやすくなります。

通風目的の場合、窓の大きさは小さくても構いませんが、離れた位置が良いでしょう。

 

 

 

キッチンの窓の種類

窓というと横に引いて開ける、引違いタイプを思い浮かべる方が多いと思います。

それ以外にも、すべり出し窓や、FIX窓、上げ下げ窓など、実には他にも種類は色々あります。

 

窓選びのコツとしては、できるだけ、正方形ではなく、横長か縦長の窓の方がおしゃれに見えます。

昔はルーバー窓というタイプもありましたが、防犯性・断熱性の観点から、最近は姿を消しつつあります。

 

 

また、窓を設置する高さによっても、印象はがらりと変わります

注意したいのは、周囲から丸見えとなってしまうような窓です。

目線が気になる場合は、窓を天井付近の高い位置に設けたハイサイドライトにすることで、カーテン等の目隠しが不要になります。

逆にモダン和風なデザインの場合、窓を床まで位置を下げることで、ぼんやり明るくなる落ち着いた印象の空間になります。

 

窓の構造については、アルゴンガス入りのペアガラスが主流になりつつあります。

住宅内からの熱損失の最大は窓が原因となるため、窓の断熱性を上げることは、部屋の快適性に直結します。

半透明のカタガラスにした場合も、目隠し効果はありますが、断熱性は変わりません。

 

窓を設置する方角によっても注意が必要であり、南側の窓を大きくしすぎると、夏季に暑くなりやすい傾向にあります。

西側の窓を大きくしすぎると、西日対策が必須となります。

西日対策としてはカーテンも一般的ですが、ロールスクリーンもすっきりとした見た目でお勧めです。

北側の窓は一年中通して安定して間接光を取り込めるため、採光窓として優れています。

 

 

窓を設置するためのスペースを確保できない場合、屋根に窓を設置するトップライトも有効な手段です。

トップライトは天井高がある部屋や吹き抜けに使用すると、光が降り注ぐようになり、演出効果が高くなります。

 

 

 

施工事例

開放的なフルフラット、オープンカウンターキッチン(浜松市中央区*様邸)

キッチンとリビングをつなげ、キッチンのハイサイドライトと、リビングの大開口の掃出し窓で、採光と通風を確保した例です。

掃出し窓は南向き、ハイサイドライトは東向きになっており、位置も南北で離れているため、風が良く流れます。

リビングで家族で長い時間を過ごすとおっしゃっていたため、2部屋を繋げてリビングを広めに設計しています。

 

 

柱をスケルトンにして、リビングとキッチンの目線をつなぐ(浜松市中央区*様邸)

こちらもリビングとキッチンを一体とし、柱をスケルトンの表しにすることで、視線を通して解放感を出しています。工期は3か月間です。

リビング南面に大開口の掃出し窓、壁付のI型キッチンの正面に引違い窓があるため、採光・通風が十分に確保できます。