これだけは知っておきたい、リノベーションまとめ
近年お問い合わせが多い工事がリノベーションです。当社の工事の中でも、最も大きい範囲を占めています。
リノベーションを行うお客様は様々です。中古住宅を購入されてリノベーションをする方、もともと浜松に住宅を所有されている方、二世帯にする方、浜松へ移住してくる方など。共通しているのは、ご家族で新しい生活をスタートするということです。
古くなったり壊れた設備を新しくするリフォームとは異なり、家全体をトータルで考え直し、新しい家に作り替えるのがリノベーションです。リノベーションにはメリットだけではなく、注意しなければならないポイントが存在します。
今回は、リノベーションについて、必ず知っておいてほしい重要な点を解説していきます。
リノベーションのメリット
① 良い立地や土地条件を確保できる
更地の土地よりも、住宅のある土地の方が物件数が多いです。そのため、新築よりもリノベーションの方が、希望条件に合う物件を見つけやすいといえます。正直にお伝えすると、どんな家を建てるのかも大切ですが、どこに住むかも同じくらい大切です。
家づくりのご依頼をいただいた場合、土地の形状だけではなく、眺めや日当たり、風通しを考慮してご提案します。それ以外にも、周囲の立地や環境、周辺スーパーやコンビニの充実度、学校や会社への近さも気になるポイントです。
家はリノベーションすれば変えることができますが、土地を変えることはできません。リノベーションを視野に入れると、理想の土地に出会いやすくなります。
② 新築よりも予算を抑えることができる
これまでの浜松における施工実績を踏まえると、リノベーションの方が新築よりも半額程度に抑えることができるケースが多いです。基礎や構造体等を流用できる部分が多いため、その分のコストが下がるからです。
また、リノベーションが必要な物件は築年数の点から、取得価格が低くなることが多いです。工事費用を加算したとしても、トータルで安価になることができます。たとえば、以前60坪の住宅で試算した際、リノベーションで2000万円程度の現場の場合、新築では5000万円程度でした。
③ 自分好みにカスタマイズできる
リノベーションで交換できない部分はありません。室内の壁や、扉の形状、キッチンや浴室などはもちろん、屋根や外壁まで自由に選ぶことができます。
一般的な木造戸建ての場合、構造的に検討が必要ですが、柱や壁の移設をすることも可能です。自分たちの生活スタイルや好みに合わせて、自由にカスタマイズできるのも魅力です。
リノベーションのメイン価格帯は1000万円~1500万円程度になりますが、目にする箇所は全て新品になるので、まるで新築のような印象になります。内装がそのまま使える場合は、500万円程度に抑えて、水回りのみ一新することもできます。
リノベーションのデメリット
中古住宅のリノベーションには、メリットだけではなく注意しておくべきデメリットもあります。リノベーションの注意点もきちんと理解した上で、物件を購入するか判断された方が良いです。
① ご契約いただいてから入居までに、最低5か月かかる
設計・仕様決めに1か月、材料の手配と工程の作成に1か月、標準工期が3か月間です。当社にお問い合わせいただくお客様の中で、入居希望日までに余裕が無いケースがあります。お早目の計画が大切となります。
② マンションの場合、カスタマイズが可能な箇所が限定される
マンションでは管理規約が定められており、工事可能な内容があらかじめ規定されています。そのため、規約で禁止されている工事はできません。さらに、一般的に共用部である玄関等は変更できないため、玄関ドアの交換は不可です。
戸建てと異なり、天井裏や床下のスペースが小さかったり、全く無いこともあります。その場合、配線や配管を通すことができず、器具や設備を希望の場所に設置できません。マンションのリノベーションをお考えの場合、自分のプランが実現できるか先に確認が必要です。
③ 事前に金額・工事の内容が確定しないことがある
実際に工事をしてみると、新築図面と違うことも現場では多々あります。断熱材が不足している箇所があったり、傷んだ給排水管、雨漏り跡等、想定していない工事が必要になることがあります。状況によっては工事中に直しておいた方が良いと判断して、追加工事をご提案することもあります。
新築よりも資金計画はギリギリではなく、余裕をもっておいた方が良いでしょう。
コストパフォーマンスを上げるために
① 手を入れる場所、入れない場所を明確に
リノベーションのメリットは、既存住宅の生かせることは生かして、コストを抑えることができる点です。ところが、クロスを貼り替えても照明はそのままにすると、古さが残ってしまうこともあります。費用を掛ける部屋と掛けない部屋を明確にすることが、リノベーション成功の秘訣です。
全体に少しずつお金をかけると、古い印象が残ってしまうことがあるのでご注意ください。一般的にリビングや浴室、洗面室、トイレ等家族で使う場所を集中的に工事します。
② 物件購入時は、価格と建物の性能のバランスで決める
いくら安くても、基礎に問題があったりすると、リノベーションで高額な費用がかかってしまいます。せっかくのリノベーションでも新築と大差なくなってしまうこともあります。建物の性能が要求値を満たしているかどうか、購入前にしっかりと判断しましょう。
他にも石積みの擁壁に建っている物件などは、耐震性に疑問があっても立て直しが容易ではありません。土地購入前に不安な点を質問しておくとトラブルを防止できます。気になる方は写真や資料をお持ちいただいたり、購入前に同行することも可能です。
実際に、残念ながらこの物件の購入は見送った方が良いとアドバイスしたこともあります。
③ グレードに差をつける
床材やクロス、巾木や照明器具等、住宅では様々な設備を使用します。たとえば、全部屋ダウンライトにすると、おしゃれではありますが、コストも上がってしまいます。
ウォークインクロゼットはベースライト、居室はリモコン付きシーリングライト、LDKは調光付きダウンライトに使い分けることで、コストを抑えて使い勝手も良くなります。
収納部屋とリビングで、同じグレードにする必要はないので、グレードに差をつけることで、コストを抑えやすくなります。