断熱改修で重要なR値と、省エネ基準(断熱等級4)を目指す方法
現行の住宅は、2021年の国土交通省の調査において90%が断熱等級3以下です。
そもそも築年数の古い住宅は、断熱材の施工が全くされていないことがあります。
断熱材が無いと冷暖房の効率は悪くなります。
また、空気は温められると軽くなるため、冬は暖房を使っていたとしても、頭は暑く足元は寒くなります。
リフォームでは古くなった設備の交換を依頼されることが多いです。
しかし、断熱リフォームは明確に効果が出やすく、冷暖房費も下がるのでお勧めの工事です。
浜松は雪は降りませんが、床下・窓断熱をすることで、足元の寒さ対策になります。
過去に床下断熱を施工した浜松お客様から、「暖房を点けると、暑くなりすぎて気持ち悪い」と言われたことがあります。
断熱工事は、暮らしやすさを大きく変えることができます。
断熱リフォームは国の補助金の対象になることが多いのも、うれしいメリットです。
この記事では、断熱改修工事について解説します。
断熱は少し専門的な内容ですが、快適な家づくりにおいてとても大切です。
断熱改修の種類
- 窓の交換や内窓の設置
- 断熱材の追加
- 外壁・屋根の断熱塗装
大きく分けて三種類ありますが、断熱改修で最もコストパフォーマンスが高いのは内窓の追加です。
現在の窓はガスを封入したペアガラスが標準ですが、従来は単層のアルミサッシであったため、今と昔では断熱性能が大きく異なります。
熱損失の約7割は、窓からという調査結果もあります。
できれば窓を交換することも可能ですが、コスト面では内窓の設置が優れています。
内窓は樹脂サッシなので、枠の熱伝導率も低いのも良いポイントです。
三共アルミのプラメイクとLIXILのインプラスという製品が人気があります。
他の断熱リフォームとしては、断熱材の追加も有効な手段です。
特に、天井に断熱材を入れるのは難しくありません。
たいていの住宅では天井点検口があるため、天井裏に入って断熱材を追加します。
逆に壁や床の断熱材追加は、一度室内の壁・床を取り外す必要があるんため、手間がかかります。
天井断熱材の追加は夏の暑さ対策として、とても効果があります。
断熱材の追加、必要な種類と厚み
断熱材は全てR値が設定されています。
R値は熱に対する抵抗値であり、数値が大きいほど熱を通しにくい素材です。
また同じ素材であっても、厚さが2倍になれば、R値も2倍になります。
R値が断熱材を選定する際の基準になります。
ただし、必要R値を満たさないと効果が無いわけではなく、入れるだけで効果大です。
また、R値とコストは比例しますので、予算に応じてできる限り性能を満たす選定が求められます。
■床断熱
当社では、床断熱ではミラフォームやスタイロフォームといった押出法ポリスチレンフォーム断熱材を使用します。
省エネ基準(断熱等級4)仕様基準における必要R値は2.2。
よって、剛床工法で床組みがされている場合、80mm以上の断熱材が望ましいです。
ただし、古い住宅の場合は根太工法で床組みがされていることが多く、根太の寸法に合わせて45mmとするケースもあります。
■壁断熱
当社では、マグや旭ファイバーの高性能グラスウールを使用します。
省エネ基準(断熱等級4)仕様基準における必要R値は2.2。
よって、高性能グラスウール16k90mm以上の断熱材が望ましいです。
■天井断熱
壁よりも屋根は日射を受けやすく、より性能の高い断熱材が要求されます。
マグや旭ファイバーの高性能グラスウールを使用し、省エネ基準(断熱等級4)仕様基準における必要R値は4.0です。
高性能グラスウール16k155mm以上の断熱材が望ましいです。
R値は断熱材の厚みに比例するため、断熱材を押しつぶして施工してはなりません。
天井裏の空間が少ない場合は、それに応じた適切な厚さを選定します。
またグラスウールは湿気に弱いので、結露が予想される場合は、別の断熱材へ変更します。
複雑な形状の場所が多い現場は、発泡ウレタンの吹き付け断熱を検討します。
コストはかかりますが、吹き付けるため隙間が少なくなり、細かい場所まで充填が可能です。
ご自宅にあった断熱リフォームをご提案いたします。
静岡県西部(浜松・湖西・磐田)断熱リフォーム工事に興味がある方はご相談ください。
なお、新築時の確認申請図面をご用意いただくと、スムーズです。