レジンテーブルの製作
一般的にテーブルを造るときは、銘木(一枚板)を使用します。
ところが、なかなか完全無欠の銘木は少なく、たいていどこか欠けていたりします。
節が無く、寸法の大きい銘木は非常に高価で、何十万円~何百万円もします。
そのため、かつては大きいテーブルを造るとき、銘木同士を組み合わせたりつなげて製作していました。
今回紹介するレジンテーブルはリバーテーブルとも言います。
銘木の欠けた部分にレジンという樹脂を流し込むことで、長方形のテーブルを作成する方法です。
製作したテーブルの寸法は1600mm×800mm、天板の厚さは40mmで、4人掛けを想定しています。
テーブルの高さは、標準の720mmです。
レジンテーブルの製作
まずは銘木を用意して、形を整えます。
今回用意した銘木の樹種はクリです。
汚れを落とし、大工が電気鉋(かんな)で削って反りや歪みを調整します。
次に作りたいテーブルの寸法と同じ型枠を組みます。
調合比に注意しながら、撹拌機でレジンをしっかりと混ぜます。
型枠に銘木を設置し、レジンを流し込んでいきます。
基礎の生コン打設用のコンパネを使い、型枠を作っています。
レジンは接着力があるので、表面には離型材を塗布します。
住宅の基礎のコンクリートを打つときも離型材を塗りますので、このあたりはコンクリート打設とよく似ています。
コンクリートではフォームタイを使って、型枠の変形を防ぎます。
レジンテーブルの型枠の場合も、変形しないようにクランプなどで固定しておきます。
注意が必要な点としては、レジンは硬化前の流動性が高いところです。
事前に、しっかりと目地を埋めておきます。
目地埋めには、外壁防水用のシーリング材などが便利です。
いちど硬化した二液型のエポキシレジンは、付いてしまうと取れません。
漏れないように、きちんと目地を埋めておきます。
コンクリートと同じくレジンにも養生期間があります。
硬化するまでは触ってはいけません。
完全に硬化したら脱枠して、仕上げ工程に入ります。
レジンテーブルの仕上げ
脱枠したら、表面をサンダーで研磨していきます。
一般的なオービタルサンダーを使用しています。
大きく削りたいときは、鉋(かんな)が便利です。
研磨は目の粗い#100以下のものから、目の細かい#1500等へ変えていきます。
紙やすり(防水紙)は弱いので、破れてしまうときは布やすりも便利です。
最後にトップコート(仕上げ塗装)を行います。
一般的なのは、ウレタンクリア塗装かオイル塗装(自然塗料)です。
テーブルに限った話ではありませんが、木材部分の反りを抑えるため、塗装は必ず両面行います。
当社ではテーブルは自然塗料仕上げで、オスモ社のものを使うことが多いです。
最後に脚を取り付けして完成となります。
樹種や厚さにもよりますが、今回の場合(厚さ5cm)で重さ100kg近くになります。
耐荷重を考えて、脚を製作するようにしましょう。
レジンが床等に付着してしまった場合・・・
レジンの取り扱いをする場合は、きちんと養生をしましょう。
エポキシレジンは一度硬化すると、薬品を使っても落とすことができません。
UVレジンの場合は、シンナーやアセトンが有効な場合があります。
また接着力が非常に強く、硬いので、施工前のしっかりとした養生が必須となります。
もし、それでも予期しないところへレジンがついてしまった方は、削り取るのが最も効果的です。
削り取ることができない場合は、床材ごと交換になります。