天井高を決めるときは、ここに注意
ご自宅の天井高をご存知ですか?
設計図をお持ちの場合は、 CH=2400 といった表記を探してみてください。
この場合、 CH(ceiling height)の2400mmというのが床から天井までの高さとなります。
背の高い方はドア枠に頭をぶつけてしまった経験があると思います。
日本人の平均身長が年々高くなっていることもあり、天井高も高くなりつつあります。
天井高の平均
- 最低値 :2100mm
- 少し前の住宅・和室など:2200~2300mm
- 現在の住宅の主流 :2400mm
- 最近の新築 :2400~2600mm
天井高2100mmは、建築基準法施工例第二一条の最低基準ですが、実際には圧迫感があるので避けた方が良いです。
近年の住宅で最もメジャーな天井高は、2400mmです。
天井高を決めるときは、ココに注意
人間の部屋の広さに対する感覚は、面積×高さで決まります。
面積が狭い部屋であっても、天井高が高ければ開放感を感じることが出来ます。
なお、上に屋根がある最上階の場合、天井を上げられることが多いです。
現地調査をさせていただくと天井高の上限がわかります。
立面図や断面図といった設計図面を持ってきていただくと、よりスムーズです。
ただし、天井高は高ければ高い方が良いというわけではありません。
暖かい空気は上に行くので、天井が高いと冬の暖房は効きにくくなります。
また、吹き抜けで2階の廊下等とつながっていると、暖かい空気は逃げてしまうので暖房効率は悪くなります。
新築を建てる場合、天井高は高めを希望される方が多いですが、すべての部屋を高くするのはお勧めしません。
建物はタテよりヨコが長いと、どっしりと安定感のあるプロポーションとなります。
天井高を高くするとタテ(建物の高さ)が長くなり、細長い建物になります。
寝室や収納といったプライベートスペースは天井高を下げ、リビングなどのパブリックな空間は天井高を上げるのがメリハリが生まれて効果的です。
実際の施工事例
現在施工している例ですが、2階の天井の一部分を高さ2.4mから2.9mに上げています。
解体していくと、天井裏に隠れていた野物が見えていきました。
野物とは写真上部を十字に走っている太い梁のことです。
野物を天井から出して、表し仕上げ(見せるデザイン)にしました。
この部屋は寝室として使われる予定とのこと。
照明はペンダントライトにしたので、夜になると天井に野物の柔らかい輪郭が浮かび上がります。
スイッチは壁面とベッドサイドの二か所に増設。
調光式にすることで、寝る前の読書のときは暗めにしたり・・・といったことができるようになりました。