建物を大きくする|増築の流れについて
建物自体を大きくすることを増築と呼びます。
今ある建物内で間取りの変更をするのがリノベーションの基本ですが、
スペースが足りないときは増築を行います。
増やす面積が10㎡以下で、防火地域(準防火)でなければ、行政への確認申請も不要。
今回は、リノベーションのお客さまで、ユニットバスと洗面所を作るために増築します。
昔のトイレや浴室は狭かったので、そのままでは交換できないことも多いです。
増築の流れ
まずは地面を掘って、コンクリート基礎を打設。
型枠にコンクリートを流し込んでいきます。
増築の流れは新築と似ています。
しっかりとベタ基礎を打っていきます。
実は増築では完了検査が無い場合が多く、建築基準法を満たさないケースも少なくありません。
こうした違法建築で最も問題になるのが、地震や災害があったときです。
家族から被害者を出さないためにも、しっかりと作る必要があるといえるでしょう。
出来上がった基礎に柱を立てていきます。
柱が建て終わったら、屋根を貼ります。
既存の建物と増築部分のジョイントは雨漏りしやすくなります。
大雨が降ってもきちんと流れるように、適切な勾配をとります。
間柱と筋交を入れて、強度を確保します。
リノベーションでは床下に潜ることも多いです。
大工工事をするときは床下の状態を確認するようにしています。
今回は床下で気になる点あったため、途中でシロアリの駆除薬剤を散布しました。
雨漏りとシロアリは、最もよくあるトラブルの一つです。
内側には断熱材をすきまなく敷き詰めます。
夏の暑さ対策、冬の寒さ対策に欠かせません。
防音効果も高まるというメリットもあります。
最後にルーフィングと呼ばれる防水シートを敷いて、屋根と外壁を貼れば完成です。
屋根はガルバリウム鋼板。
瓦やスレートに比べて高い耐久性を持ち、コストパフォーマンスに優れています。
とても軽いので、建物の重心が下がり耐震性も上がります。
ただし、金属系の屋根材は薄いため、雨音が響きやすくなります。
また、瓦に比べて熱を通しやすい点も注意が必要です。
断熱材を小屋裏にしっかりと敷くことがポイントとなります。