こだわりポイント!シナベニヤの塗り方・貼り方
住宅では、一般的に天井や壁はクロスで仕上げられます。
これは石膏ボードの下地の上に、ビニルクロスを貼る方法です。
ただし、デザインのアクセントとして壁の一面や天井に、合板を貼ってそのまま仕上げとすることもできます。
今回はそんな化粧合板の一つ、シナベニヤをご紹介したいと思います。
シナベニヤとは?
大工工事では多種多様な合板を使います。
ラワン合板、ベースパネル、ラーチ合板、OSBボードなどなど・・・
サイズは全て同じで、サブロクと呼ばれる3尺(910mm)×6尺(1820mm)となっています。
※尺というのは昔の日本の単位で、建築関係ではメートル法よりもよく使われます。
シナベニヤもそんな合板のひとつです。
榀(しな)の木をもとに作られているため、他にはない白くてキメの細かい表面を持っています。
美しい表面を生かして、オーダー家具の材料として使うこともあります。
アイスの木製スプーンも榀製です。
ホームセンターでもまれに見かけますが、材木屋さんで購入するの方が簡単です。
建材はネットで購入すると割高なので、直接足を運ぶのがベストです。
なお、シナベニヤの厚さは4mmと5.5mmが一般的です。
シナベニヤを貼る前に、保護塗装を行う
榀の木は柔らかく、もともと耐久性に関しては高くありません。
触ると皮脂ですぐ汚れるため、何かに使う前に塗装でコーティングが必須です。
せっかくの美しい表情を見せるためには、クリア(透明)色で塗装するのがおすすめです。
塗料にはツヤ消しとツヤ無しがありますが、ツヤ無しの方が無垢の木の感じが出やすいです。
こちらは当社にて、オスモ社の自然塗料のノーマルクリアー色で塗っている作業風景です。
塗装時に注意したいのは、塗り方です。
一般的な塗装では、ハケやローラーを使うことが多いですが、
クリア色の場合、ハケ跡が目立ちやすくなります。
そんな時はコテバケが便利です。
スポンジとコテを組み合わせたような形をしており、
広い面を早くきれいに塗ることに特化しています。
なお、シナベニヤは下塗り・上塗りの二回塗装で十分です。
シナベニヤの貼り方は、市松も美しい
シナベニヤを貼るのは、大工の仕事です。
ボンドとタッカーと呼ばれる頭の細い釘で施工します。
クリア塗装なので、一般的な頭の大きな釘やビスでは目立ってしまうためです。
今回は正方形にカットし、入って正面の壁にタテヨコの市松模様に貼っています。
タッカーを打つときは、壁に垂直に打つのではなく、ハの字になるように打つことで、壁から抜けにくくなります。
タッカーが無い場合は、ボンドが接着するまで固定できれば何でも結構です。
シナベニヤのアクセント壁が、自分の家だけのデザインのこだわりポイントとなりました。
大工仕事はスピード感を持ちつつ、丁寧に行う
シナベニヤはそのままで壁の表面になるため、技の見せ所です。
この作業は大工親方、木下さんに担当してもらいました。
貼るときは、突きつけと目透かしという二つの手法があります。
突きつけはベニヤ同士をすきまなく貼ること。
目透かしは少し間隔をあけて貼る難易度の高いやり方です。
今回は4mmの目透かしで貼りましたが、間隔を狂いなく一定にすることが美しさを生み出します。
逆に数ミリでも間隔がずれていると、見る人の目に違和感となって映ります。
大工仕事は、丁寧さを心がけると良いでしょう。