マンション×リノベーション【その3・大工編】
先日スタートしたマンションですが、解体工事が完了しました。
次はいよいよリノベーションの主力、大工さんが入ります。
大工の腕は、仕上がりに特に影響を及ぼす点の一つ。
技術のある職人を確保することは、私たち工務店の大切な仕事です。
今回はこちらの木下さんが造作を担当しています。
正確な目で精密で丁寧な仕事をする、最高クラスの大工さんです。
今回の大工造作におけるポイントは次の三つです。
床鳴りの対応
床鳴りの原因は様々です。
床を剥がしてみると、その原因が見えてきます。
年月が経ち、木から水分が抜けると体積が減っていきます。
このように木が「痩せる」と隙間ができ、足で踏むと床が鳴ることがあります。
さらに、今回は全体的に固定用ビスが少ないように見うけられます。
こうした問題は、既存の床に合板を貼り重ね、床専用の接着剤(根太ボンド)で固定すれば大丈夫です。
間取りの変更
今回は間取りを変更しています。
もともとは家の中心に玄関から続く廊下があり、各部屋をつなぐ構造でした。
ただし、今回は廊下を無くしてリビングを中心とするデザインに変えました。
廊下が無くなった分、玄関・洗面室・浴室・WCが拡大。
また、冬季は浴室からそのままリビングに行くことができます。
暖房のない廊下を通らなくて済むので、ヒートショックの心配も軽減。
図面が完成したら、下地を組んでプラスターボードで壁を作っていきます。
このとき、コンセントやスイッチの位置も、新しい間取りに合わせて変更していきます。
意外と忘れがちなのが冷蔵庫のコンセントの高さです。
冷蔵庫は、昔は背が低かったので、コンセントも低い位置にありました。
そのままにしておくと、最新の冷蔵庫だとコンセントが裏に隠れてしまいます。
冷蔵庫のコンセントは基本的に差しっぱなしです。
トラッキング現象も心配ですが、何より使い勝手が悪いですね。
位置は、床の仕上がりから1800mm~1900mm程度に変更するのが良いと思います。
カウンター作成
対面式キッチンを導入するにあたって、カウンターを作成します。
高さや幅は自由に決めることができます。
今回は、カウンターの前にダイニングが位置しています。
ダイニングテーブルとキッチンの目線を遮らないことが、使い勝手を考えるポイント。
施主様と現地で相談の上、高さは1m程度で設定しました。
会話もしやすいバランスのとれた高さです。
食器を置くため、カウンターは幅広の無垢材としました。