庇の後付けは木造なら簡単にできる!
庇とは、外壁から突き出た小さな屋根のような部分を指します。
最近の新築は、シンプルなデザインが好まれるため、シャッター・雨戸・庇といった外回りの設備は省略する傾向があります。
そのため、住み始めてから「こんなところに庇があったら雨に濡れないのに・・・」と気が付くことも多々あります。
実は木造住宅の場合、後から庇を取付することは意外と簡単にできます。
今回は、そんな庇の後付け工事についてご紹介していきたいと思います。
庇の種類
大きく分けて、庇には柱有りタイプ(テラスタイプ)と柱無しタイプ(ルーフタイプ)があります。
柱有りタイプは奥行を長くとることができるため、広いスペースを確保することができるのが特徴です。
オプションで物干し受けも取付できるため、洗濯物を干す場所としてもお使いいただけます。
柱無しタイプはすっきりとしているため、柱が無い分使い勝手が良いです。
こちらは当社でもよく使用している、LIXILのスピーネという製品になります。
柱無しタイプの中には、アルミ製の製品あり、こちらはスタイリッシュな見た目であるため玄関庇として使うことができます。
YKKのコンバイザーという製品ですが、横に連結することができるため、窓やドアのサイズに合わせて長さを変えることができるという特徴があります。
住宅は勿論、店舗の正面入り口等でも使用することがあります。
木造住宅なら、庇を簡単に取付できる
庇の種類にかかわらず、必ず住宅の構造体に固定する必要があります。
構造体とは、基礎の上に載っている柱や梁といった建物の荷重を支える部分のことです。
木造住宅(一般的な木造軸組工法)の場合、柱の位置の特定が容易であるため、簡単に固定することができます。
構造体に固定されているため、台風や大雨に対しても、強い強度を発揮してくれるのです。
工事も1日~2日で完了するため、短い期間で庇が取付できるのも後付けの魅力となります。
庇を建物の南側に取付すれば、日除けとして夏の日射を遮ってくれるという効果もあります。
ちなみに鉄骨造やRC造(ビル)の場合は、図面を見なければ断定できませんが、庇の後付けは難しいことが多いです。
きちんとした建物の構造に関する知識が必要であるため、庇が落下する事故が起きないようDIYは避けるようにしましょう。
実際の施工事例
庇を後付けしたいとご相談をいただいたお客様でした。
まずは調査を行い、写真の赤い部分が設置可能な箇所と分かりました。
駐輪場としてお使いになるため、柱無しタイプで幅3.6mの庇を用意しています。
自転車を縦列で2台、余裕をもって止められる広さとなります。
実際に取付した際の様子がこちらです。
窓や電力量計を避けながら、外壁の内側にある4本の柱に対してきちんと固定しています。
柱の位置は外からは見えませんが、木造は合理的なルールに従って設計されるため、柱のある場所は推定することが可能です。
最後に庇と外壁の間に防水シーリングを行い、雨漏り対策を行って完成となります。