故障した太陽光発電は撤去しましょう
最近増えているのが、太陽熱温水器の撤去や太陽光発電の撤去工事です。
新築時に取付した設備ですが、使わなくなっても屋根に載せたままになっていることも少なくありません。
この記事では、太陽光発電の撤去について、費用の相場やお勧めのタイミングをご紹介します。
- 最もよくある原因はパワコン(寿命10年程度)の故障による不具合がきっかけとなることが多い
- 住宅用太陽光発電のFITは10年間なので、それ以降は、費用を払ってパワコンを交換するメリットは小さくなる
- 足場を掛けたタイミングで、一緒に撤去するのがお勧め
太陽光発電の故障原因
故障の原因としては、まず太陽光発電のパネル(モジュール本体)の経年劣化が挙げられます。
ガラス表面の傷や曇りにより、太陽光の吸収率が下がることで、発電効率が下がっていきます。
とはいえ、パネルの寿命は20~30年と長期なので、発電できなくなることはほとんどありません。
他にあげられる原因は、パワコンの故障です。
パワコンは太陽光発電システムで作り出された直流の電気を、家庭で使うことができる交流へ変換する役割を持ちます。
太陽光パネルの寿命は20~30年あるのに対し、パワコンの寿命は10年程度のため、一番最初に故障することが多い部品となります。
寿命を迎えたパワコンは修理ではなく、本体ごと交換となります。
メーカーのパワコン保証期間は10年間のケースが多いため、パワコンの交換は実費となることが多いです。
FIT(固定価格買取制度)も10年間なので、それ以降は買取価格が下がるため、売電収入も下がります。
天気の悪い日は、売電収入が数百円にしかならないこともあるため、FIT期間後はパワコンの修理費用の方が高くなります。
売電収入と修理費用を考えて、どうするか考えることをお勧めします。
なぜ太陽光発電の撤去が必要なのか?
最大の撤去要因は、パネルの下の屋根材の作業ができないことです。
たとえば外壁塗装のタイミングであれば、屋根全面を塗装したいので、もし使用していない太陽光発電があれば撤去いたします。
架台を取付する際、屋根に穴を開けて金具を固定しているため、経年劣化により雨漏りの原因となることもあります。
あとは屋根にかかる荷重という問題もあります。
一般的な住宅用太陽光であれば、発電量を確保するため、南向きの屋根面に20枚~25枚程度のパネルを載せている事例が大半です。
太陽光発電は太陽との角度によって、発電効率が全く異なるため、方角を最優先して設置するためです。
屋根の片側に、300~750kg(軽自動車1台分)の荷重が偏っているため、不要になったら撤去した方が良いでしょう。
太陽光の撤去のタイミングと費用
太陽光の撤去費用の内訳としては、撤去作業費に加えて、足場代と産廃処分費がかかります。
このうち、仮設足場費用については他の工事と共有することが可能なので、外壁塗装や雨漏り修繕といったタイミングで一緒に施工することをお勧めします。
太陽光の撤去費用は、パネルの枚数や屋根の形状にもよりますが、例えば24枚だとして15万円程度です。
処分費は1枚13kgとして10万円程度かかりますので、合計25万円~が費用となります。
パネル枚数が多い場合や、作業がしにくい急勾配の屋根の場合は、追加で費用が必要となります。