雨漏り修繕のやり方と流れについて
梅雨に入ると多くなるのが、雨漏りの修繕工事です。
屋根か外壁に雨水の侵入口ができてしまったことから、建物内部に水が入っている状態を雨漏りと呼びます。
雨漏り修繕工事はご依頼いただく件数も多いですが、原因が多岐に渡るため修理完了までに時間がかかることが多い難しい工事です。
とはいえ、雨漏りが続けば被害が大きくなるため、一年を通してご依頼いただくことが多いです。
この記事では、雨漏りの修繕の具体的な流れについてご紹介します。
雨漏りは何が問題なのか?
雨漏りの第一の被害は内装材や断熱材が劣化することです。
そもそも、建材は防水性が無いものが多いため、水がかかると劣化してしまいます。
たとえば断熱材としてよく使われるグラスウールは、湿気に弱いため、水がかかると断熱性が下がります。
さらに、細かいガラス繊維でできているため、高湿度が続くとダニやカビの温床になります。
雨漏りの第二の被害は建物の構造体そのものの劣化です。
柱や梁といった構造体は、木材でできているため、高温高湿度の環境が進むと木材腐朽菌が繁殖します。
梅雨の時期は雨が長期間続き、雨漏りがあれば内部が高温多湿になるため、繁殖条件を満たしやすくなります。
柱や梁といった構造体が弱くなれば、地震の際に必要な耐久性を発揮することができなくなります。
雨漏りの第三の被害は白蟻の繁殖です。
白蟻は多湿環境を好むため、雨漏りが発生しているとそこを繁殖拠点にすることが多いです。
白蟻は巣が一定の規模を超えると、羽アリが飛び立ち、新しい巣をつくろうとする習性があります。
最もよく見かけるヤマトシロアリは、浜松ではゴールデンウィーク前後に羽アリが巣立つため、比較的気づきやすいでしょう。
白蟻の羽アリは飛翔能力が低いので、なるべく高いところに登ってから、できるだけ遠くへ飛ぼうとします。
家の中で羽アリを見かけた場合は、白蟻の巣がある確率が極めて高いです。
白蟻はマツやスギといった柔らかい木を好みますので、床下の根太等が被害に合いやすいです。
雨漏り修理の流れ
雨漏り修理は、まずは雨水の侵入箇所を特定することから始めます。
調査方法は三種類あり、目視調査→開口調査→散水調査の順番で行っていきます。
目視調査では、原因となりうる箇所を屋根に登って確認していきます。
現代の住宅の屋根・外壁は二重の防水層で保護されているため、簡単には雨漏りしません。
弱点となりうる貫通部、パラペット、サッシ周り、サイディング釘頭、板間目地などをチェックしていきます。
雨漏りしやすいところは決まっているため、怪しい箇所を屋外からチェックするのが目視調査です。
目視調査で分からなかった場合は、開口調査を行います。
開口調査では、壁や天井を開けたり点検口を取付することで、隠蔽部分の水の経路を確認します。
雨漏りは複数の原因で複合的に発生していることもあるため、水の侵入口のチェックが重要です。
最後に、散水調査を行って、雨水の侵入口に水をかけて、内部に染み出ることを確認できれば侵入口の特定完了です。
防水処理や外壁材・屋根材の交換を行い、雨漏りが止まったことを確認します。
全体的に劣化が進んでいるようであれば、外壁塗装を行うこともご提案します。
雨漏りを発生させないために
住宅は定期的なメンテナンスが必要であり、特に、外壁塗装と防蟻は必ず施工するようにしましょう。
定期的なメンテナンスは、異常の発見につながります。
※上の写真は実際に雨漏りを発見した際に撮影したものです。
外壁塗料はシリコン2液型であれば12年程度の耐久性を持ちます。
白蟻の駆除剤は、環境や人体への影響を抑えるため、5年間の薬効となっています。
どちらも耐久力には限りがあるため、定期的なメンテナンスを行いましょう。