駐車場のトラロープ張り
駐車場の工事で多いのが、ライン引きとトラロープ張りです。
主に不動産会社や賃貸物件の所有者の方からの依頼で、貸し駐車場の工事をすることが多いです。
とはいえ、トラロープについては、DIYで工事することも可能です。
今回はトラロープ張りについて、詳しくご紹介したいと思います。
駐車場の寸法
駐車場を設計するとき、一台あたりの基本寸法は横2.5m×奥行5.0mです。
広めにとりたい場合は幅2.8m×奥行5.5mにしても問題ありません。
逆に狭くしたい場合は、幅2.3mが普通車では限度となります。
近年は車が大型化しているため、広めの駐車場の方が人気が出る傾向にあります。
台数を減らして間隔を広くすることで、利用率が上がったという事例もあります。
中途半端な寸法が余ってしまう場合は、広めの普通車用をメインにして、残りを軽自動車専用とするのも良い方法です。
トラロープの種類
トラロープは正式には標識ロープと言い、一般的になものは太さが9mmと12mmの二種類あります。
駐車場の区画表示として使用する場合、車のタイヤが載るため、耐久力のある12mmが良いです。
反射材を織り込んだレフロープというタイプも存在しています。
敷地内に照明が無い場合は、夜間の視認性向上のため、レフロープの使用がおすすめです。
蓄光材を織り込んだ蓄光ロープという製品もありますが、こちらは正直なところ効果が低いです。
トラロープ張りで必要な材料
- 固定するためのピン
- ピン打ち用のハンマー
- バール
最低限必要な道具は、ピンとハンマー、バールの三種類です。
ハンマーは頭の大きくてしっかり打ち込むことができる、石頭や両口ハンマーが便利です。
張替えの場合でも、ピンは曲がったり錆びていて再利用できないことが多いため、新しいものを用意します。
2.5mピッチでピンを打ちますので、一般的な駐車場の奥行5mのロープ張りの場合、3本のピンで固定します。
ピンの長さは23cmの物が多いですが、土質が緩ければ抜けやすくなるため、長めのものを使用します。
ホームセンターで長さ15cmのピンを見かけたことがありますが、短いとすぐに抜けてしまいます。
さらに、短いピンは径が細いためすぐに曲がるので、地面になかなか入っていきません。
トラロープが浮くと、歩いた際に引っかかることがあって危険です。
凹凸のある駐車場の場合は、砕石を入れて転圧して均すか、ピンの本数を増やしてロープが浮かないようにします。
凹凸を均す工程を、専門用語で不陸調整と呼びます。
駐車場のライン引きについて
トラロープと併せて問い合わせいただくことが多い、駐車場のライン引きですが、こちらはDIYはお勧めしません。
テープ型や塗装型、スプレータイプなど、ライン引きにはいくつか種類があります。
しかし、圧倒的に耐候性が高いのは、道路と同じ溶融式ラインです。
塗装やテープ、スプレータイプは安価で簡単ですが、数年で剥げてくることもあるほど耐用年数は低いです。
溶融式は、200度に粉末を加熱して液化させてから塗布するので、硬化時間が短く耐久性が高くなります。
専用の機材が必要なため、2~3台と台数が少なければ割高になりますが、基本的には溶融式ラインがライフサイクルコストが安いです。
古いラインを剥す抹消機という機械もあるので、ライン間隔の変更も簡単にできます。
駐車場のライン引きについては、プロに頼んで機械施工することをお勧めいたします。