不動産物件の賃貸・売却は、建物の寿命から考える

当社の工事で最も多いのは、リノベーションであり、メインのお客さまは2種類です。

 

  1. 戸建住宅をリノベーションとして新居として使う方
  2. 中古住宅(マンション)を購入して、賃貸・売却する方

 

①と②ではお客様のタイプが全く異なり、①は100%個人のお客様ですが、②は不動産会社などのプロの方が多いです。

市内の不動産会社からのご依頼が多いですが、東京や名古屋の投資会社からご依頼いただくこともあります。

今回は賃貸・売却物件の特徴と、購入前に知っておいた方が良いことをご紹介いたします。

 

 

 

物件購入前に工事予算の目途を建てる

まず、工事の話をする前に、賃貸・売却する値段を明確にして工事予算を逆算しておくとよいでしょう。

 

たとえば賃貸のケースでは、高額なリフォームをしたからといって、必ず借り手が表れる・・・とは限りません。

劣化が進んでいたり、破損した住宅や事故物件の場合は、修繕費が想像よりも高くなりがちなのでご注意ください。

ちなみに、賃貸の方が売却よりも、材料のグレードの関係上、工事費は安価になることが多いです。

 

浜松でも、それぞれのエリアごとに家賃・売却価格にはボリュームゾーンがあります。

例えば、近隣の商業施設や都市計画分類、学校の分布や、家賃の相場を調べることができます。

家賃設定・売却予定価格から、工事の予算と物件の取得価格を決めることができるでしょう。

どんな世帯にどのくらいで賃貸・売却したいのかというイメージを持つことが大切です。

 

 

 

物件の寿命を知って、メンテナンス費用を仮定する

購入前には、建物の築年数(寿命)にも注意が必要です。

 

マンションなどの集合住宅は、管理組合によって、定期的に大規模修繕が行われています。

ところが、戸建て木造住宅は、それまでのメンテナンスが適切に行われているかどうか、前の所有者によって千差万別です。

投資用や売却用としての物件購入は、集合住宅の方が容易であると言えます。

 

木造住宅の法定耐用年数は22年で、実際にはノーメンテでも30~40年はもちますが、構造体の状況までは分かりません。

そのため木造の場合、インスペクションを利用したり、建築の専門家を連れて内見することが有効です。

現場を見れば、おおよその工事費に関するアドバイスが可能です。

残念ながら、状況によっては正直に言って、工事費が予算を大幅に超過するとお伝えすることもあります。

 

 

 

空き家状態は劣化が早い

住む人がいなければ、住宅は空き家になってしまい、家は空き家になると、明らかに傷みが早くなります。

大きな原因としては、締め切っているため換気がされないことで、空気の循環がなく、湿気がたまってしまいます。

湿気の影響は家具、電化製品と言ったインテリアだけではありません。

 

実は、建築で使う木材にとっても湿気は大敵です。

地面からの湿気で床が柔らかくなり抜けてしまうということも、私たち建築会社はよく見かけています。

高温多湿の環境が続くと、カビや白蟻が発生してしまうこともあります。

 

より深刻なのは、白蟻や漏水が発生しても、住んでいないと被害が分かりにくいということです。

白蟻・雨漏りは、どちらもすぐに対処すれば簡単に修理できますが、長期にわたると柱や梁を交換するため修理費が高額になりがちです。

 

 

 

工事は長期で考える

修繕工事をするときには、長いスパンで考えることも大切です。

たとえばご実家を賃貸として貸す場合は、最終的に売却するのか、戻ってきて住む可能性があるかでご提案する内容は異なります。

 

一般のリフォームでもお子様が大きくなったら、部屋を間仕切りして二部屋にしたいというときは、予め壁の内側に下地の柱を入れておいたりします。

長い目線で考えて、「いずれはこんな風にしたい」という希望があれば、伝えるようにしましょう。

 

予算によっては、今回の工事では水回りをメインに行って、居室の間取り変更は、次回の入退去時にするといったことも可能です。