地震火災対策は、感震ブレーカーが効果あり
東日本大震災における、地震火災における原因の過半数が、電気が原因です。
地震時に家電や電気器具が破損や転倒することで、火災になるケースもあります。
地震時は停電しますが、停電前のショートが原因で出火することもあります。
この記事では、地震対策として有効となる感震ブレーカーを解説します。
能登半島地震でも地震火災
元旦の能登半島地震で、大規模な火災が発生し、輪島朝市周辺の木造建物が焼失したことは、ご存知の方も多いと思います。
出火原因については調査中ではあるものの、火元とみられる住宅では石油ストーブなど火気を扱う器具を使用していませんでした。
さらに発掘調査の結果では、屋内配線等に溶けた痕跡が発見されており、電気配線が地震で傷つき、配線にショートが生じて出火した可能性があると報告されています。
有効な火災対策として紹介されたのが、家具の固定と感震ブレーカーの設置です。
参照:『総務省消防庁消防研究センターによる火災原因調査報告書』(2/15)
中部地方も南海トラフ地震が予想される以上、リスクを下げるため、地震火災への備えが望まれます。
感震ブレーカー
感震ブレーカーとは、揺れを感知したときに、電気を自動的に遮断する装置です。
揺れを感知した段階で、早期に電気を止めるため、ショートや接触不良による出火を防ぎます。
感震ブレーカーには分電盤に内蔵したタイプと、分電盤に後付けするタイプの二種類があります。
分電盤後付けタイプの場合、現在の分電盤はそのまま利用することができます。
そもそも、ブレーカーの寿命は10年程度なので、寿命が来ると、ブレーカーが上がらず、通電ができなくなります。
ブレーカーが上がらなくなったという不具合で呼ばれるケースは、毎年少なくありません。
お住まいになってから、10年が過ぎている物件については、本体ごと分電盤内蔵タイプへ交換するのがおすすめです。
感震ブレーカーの注意点
感震ブレーカーは、揺れが発生した段階で全ての電気を遮断します。
そのため夜間の地震の場合は、照明が点灯しなくなるため、家具を固定して避難経路には物を置かないようにしましょう。
停電時に動作する非常灯も市販されていますので、階段にあると便利です。
非常灯は普段はコンセントで充電し、電気が遮断されると自動で点灯し、持ち運びが可能なタイプも多いです。
例えば、写真のパナソニックの場合「ホーム保安灯」という商品名で市販されています。
取付工事
感震ブレーカーの設置工事は1日で完了しますが、工事中は一切電気が使えなくなるのでご注意ください。
また、電気回路の調査状況によって、時間がかかることがあります。
市町村によっては補助金を利用できることもあります。
近隣では磐田市が、2023年度実績で上限5万円の補助制度を設けていました。
全国的に設置補助を行う自治体は増えていますので、浜松市から周知があった場合は、改めてお知らせさせていただきます。
費用は分電盤タイプの場合で8万円程度で、工事を施工できるのは、電気工事店もしくは建築会社となります。
なお、この工事は電気工事士のみ行うことができます。