ALC外壁材は、雨漏りに注意

鉄骨造の非住宅で使用される外壁材として、ALCがあります。

ALCは正式名称を軽量気泡コンクリートと言い、耐火性や断熱性の高さから非住宅で広く使用されています。

ところがALCを外壁に使った建物の場合、雨漏りの発生件数は明らかに多いです。

今年の雨漏り対策工事の中では、ALC外壁材を使っているビルがトップです。

今回はALCの特徴と注意点について、確認をしていきたいと思います。

 

 

 

ALCのデメリット1:気泡が入っていること

ALCは水が非常にしみやすい素材です。

名前の通り気泡が入っているので、仕上げ塗装や端部のシーリングが劣化すると水を吸ってしまいます。

 

仕上げ塗装・シーリングは劣化します。

そのため定期的なメンテナンスが必須の外壁材と言えるでしょう。

仕上げ材の塗り替え、シーリングの打ち替えは必須となります。

 

板間目地やサッシの面台、基礎とALCの取り合いは雨漏りのよくある原因です。

他にも、パラペットジョイントや折板のボルト等もよくあります。

雨漏りが発生した場合、防水の再施工よりも、雨漏りの原因を探す方がずっと時間がかかります。

きちんと雨漏りの原因を観察して、適切な対策をとるようにしましょう。

 

 

 

ALCのデメリット2:防水層が一つしかない

ALCというよりも構造的な問題になります。

非住宅でALCを使う場合、たいてい外壁材のみが防水層としての役割を持ちます。

つまり、住宅のように透湿防水シートや通気胴縁はありません。

ALCにクラックが入れば、そのまま屋内側に雨漏りとなります。

 

さらに、非住宅の場合、1階は土間コンクリートに直接床仕上げ材を貼る場合が多いです。

そのため、雨水がALC内部に水が少しでも侵入した場合、1階は水が逃げる場所がありません。

床仕上げ材(タイルカーペット等)に、雨漏りが発生することが多いのは上記の理由です。

 

 

 

ALCのメリット:高い耐久性

ここまでデメリットを上げてきましたが、もちろんメリットも存在します。

そもそも、ALCが広く使用されているのは、メリットが大きいからです。

 

デメリットとして気泡が入っていることを挙げましたが、これは最大のメリットでもあります。

気泡を含むため、断熱性・防音・吸湿性に優れること。

コンクリートで作られており、高い耐久性と耐火性を持っていること。

 

雨漏りしやすいことを除けば、優れた外壁材です。

ALCの特徴を知って、きちんと雨仕舞(防水)しましょう。