重いものを置くと、床が抜ける?
重いものを置くと床が抜けるのではないか、気になる方もいるのではないでしょうか。
今回は住宅に置く可能性がある重量物、水槽・ピアノ・本棚についてお話したいと思います。
なお、こちらの記事は、主に一戸建て木造住宅の場合の話です。
マンションやアパートの工事の場合、管理会社や管理組合の許可が必要になります。
水槽
熱帯魚を飼育することをアクアリウムと呼びます。
このアクアリウムを行うお客様から、相談をいただきました。
飼っているアロワナが大きくなってきました。
新しく大型水槽を置きたいのですが、ネットで調べたら補強が必要なことが分かりました。
そういう補強工事はできますか?
アロワナというのは淡水魚でもとくに大型に成長する種類の魚。
70cmを超えるものもあるそうで、飼育する水槽も120cm以上になります。
性格が穏やかでペットとしては人気だそうです。
問題は、水を入れた水槽が重いということ。
水とアクリル水槽で300kg近くになります。
住宅の居室は建築基準法施工例第85条で規定されている通り、1800N/㎡の耐荷重を持って設計されています。
1800Nとは183.6kgのこと。
つまり居室床は、理論上1平方メートルあたり約180kgの耐荷重を持つといえます。
180kg/㎡というと1平方メートルに大人約3人。
300kgの水槽であれば、理論上は大丈夫ですが、できれば補強をしたいところです。
今回は床の構造体を補強し荷重を分散させました。
床下点検口が近くにない場合は、メンテナンスを考えて付けておくことを勧めします。
壁に貼るクロスも、防カビ・ウレタンコートがされている水回り専用品から選んでいただいています。
ピアノ
ピアノも同様に重量がありますが、アップライトピアノもグランドピアノも、300kg~400kg程度です。
ただし、築年数がたって床下が痛んでいたりすると、耐荷重を超える場合があります。
できれば補強をしておきたいところです。
特に根太に捨て貼り無しで、床仕上げ材を単張りしている場合は注意が必要です。
歩いて床がたわむ方や、床下点検口から地面が見えているタイプの住宅は気を付けた方が良いでしょう。
不安な方は構造用合板を敷くのも効果的だと思います。
本棚
天井までの大型本棚に、一冊450gの単行本が500冊あったとしても225kgです。
前述の水槽やピアノに比べれば軽いですが、重心が高く倒壊の危険があるので固定しましょう。
大型の本棚の場合で、置く場所が決まっている場合は、事前に補強しておくと安心です。
万が一に備えて
水槽は水が入っていますが、地震で割れる可能性も考えなければなりません。
よって、基本的に水槽は1階に置くのが効果的です。
リスクに備えて、万が一の時の被害を防ぎましょう。