ツーバイフォーと在来工法について
ツーバイフォーと在来工法
新築を建てられる方から、ツーバイフォー(2×4)と在来工法、どちらが良いのか?という質問が多くあります。
どちらも住宅の建て方の一種ですが、一度住宅を建ててしまうと、後から工法を変えることは困難です。
後から間取りの変更をしたい場合に、工法によってはできないこともあります。
今回は、それぞれの工法のポイントをご紹介します。
ツーバイフォー
ツーバイフォーは最もメジャーな木造の枠組壁工法の一つ。
私たちが「ツーバイ」というときは、この枠組壁工法を指すときも多いです。
2インチ×4インチの構造用製材を多用することが、名前の由来です。
最近では、ホームセンターでもツーバイ材は手に入るようになってきました。
もともとは開拓時代のアメリカで、自分たちで家を建てるために生まれました。
簡単に強固な家が建てられるので、その後広く普及しました。
ツーバイフォーの本質は柱や梁で作った枠に対して、構造用合板を貼って面で支えることにあります。
よって、壁を開口したり動かして、間取りを変える工事との相性はあまりよくありません。
在来工法
在来工法は正式には、木造軸組工法と言います。
在来工法という名前でよく誤解されますが、伝統的な建て方そのものではなく、戦後に発達しました。
在来工法の特徴は柱や梁といった線で家を支えることです。
柱と筋交が構造材になるので、壁を抜いたり間取りを変更するのが容易です。
リフォームとの相性は良いのですが、面材が無いので強度は柱や梁の接合部に依存します。
最近はプレカットが増えたので良いですが、手で加工していた時代は大工の技量が強度に直接反映されました。
たとえば、上記の写真も手刻みでホゾを掘って梁を落としていますが、ほんの少しでも掘りすぎるとガタつきます。
壁の位置を動かす、壁を抜く
今回は、住宅工法について説明させていただきました。
共通しているのは構造に関わる部分を壊すのはNGということです。
たとえば、柱を撤去する場合は、梁の補強が必要です。
筋交を取り壊したい場合は、構造の検討を行い、別の箇所に移設するといった対策をとります。
筋交を切ってダクトを通してあったり、耐力壁の面材に穴を開けていたりといった例は多数あります。
トラブルを起こさないためには、建築図面を確認すること。
図面が無い場合は、しっかりとした事前調査を行います。
壁を部分的に開けて中を確認したり、天井裏に入って構造を確認したりといった調査が必要です。