リビング拡大リフォーム|前半 大工工事編
年末年始は集まる機会も多くなります。
今回のお施主さまはお子さんやお孫さんが集まったとき、
広い空間が欲しいと思ったのがきっかけとのことでした。
そこで、現在の和室+DKという構成から、
一部屋のリビングダイニングにする工事を2週間で行いたいと思います。
大工工事編
前半の週は大工工事です。
もともとは和室とキッチンという一般的な造りの部屋割りでした。
間仕切り壁を撤去して部屋をつないでいくのが大工工事のメインになります。
まずは、間仕切り壁を解体。
ナナメにかかっている筋交や管柱を撤去すると、必要な耐力壁としての性能を満たせず、大がかりな補強が必要になってしまいます。
今回は、土壁の部分だけを取り除いていきます。
竹小舞(竹の骨組み)に土を塗っていくのが土壁の伝統的なやり方です。
現在ではほとんど行われていませんが、意外と強固で壊すのも時間がかかります。
建築基準法施工令46条に付随する告示1100号により、
基準を満たす土壁は、実は構造的にも十分な性能をもっています。
木と竹と土で作られた、昔の人の知恵がつまった構造の仕組みです。
土壁の部分を取り除くと、一気に部屋が広くなりました。
柱と筋交はあらわしで仕上げとなります。
部屋のつなぎ目に段差がないようにするため、ノミで加工
管柱にはヌキを通すための穴が開いていました。
見栄えもよくありませんので、埋め木をします。
穴の形に合わせてカンナで削り、ぴったりの形をはめ込みます。
材料もヒノキなので、色もだんだん馴染んでいくでしょう。
柱の天井まわりにも合板でフタをしていきます。
クロスを貼ったときに美しく仕上がるように、複雑な形状でも段差をつくらないのがポイントです。
段差がなくなったところで、フローリングを貼っていきます。
このあたりで、和室の面影はなくなってしまいました。
ツキ板のフローリングなので、無垢の風合いをのこしつつキズに強くなっています。
あとあとのメンテナンスを考えて、床下点検口を設置
600サイズなので、人が入るのも問題ありません。
畳からフローリングに変えると、床が冷たく感じるケースがあります。
せっかくなので、床下に潜って断熱材を入れておきます。
水色部分が、スタイロフォームと呼ばれる断熱材です。
シロアリの兆候がないかという点も一緒に確認しておきます。
最後にキズがつかないように養生をして、大工工事は完了です。