もともと事務所として使っていた建物を、住宅にして新居とするためのリノベーションです。

設計6か月、工事３か月で、最初にお話をいただいてからお引渡しまで合計９か月です。

難易度の高い工事でしたが、とてもきれいになり、施主様にも喜んでいただけました。

 

この建物は重量鉄骨造というラーメン構造であり、耐力壁はありません。

構造的に間取り変更の自由度が高く、建物のポテンシャルを生かしやすい現場でした。

 

デザインだけではなく、排煙窓や防火といった法規の検討が必要なので、火災報知器や誘導灯の設置といった、消防法への適合工事、消防署の点検立合も行っています。

平面図、電気図、配管図を用意して、工事をスタートします。

 

 

 

リビング

間取りは３LDKで、ストーン調のフロアタイルを使ったホテルライクなインテリアです。

間取りについては、社内の建築士が動線や日当たり、風通りを考えながら一から設計しています。

 

施主様はリビングで過ごす時間が長いということだったので、廊下を極力少なくしてLDKを広々とした２６帖にしました。

また、必ずリビングを経由して居室へアクセスすることにより、お子様とのコミュニケーションが生まれます。

 

照明についてはダウンライトとスポットライトをメインにしています。

ダウンライトは中央部を集光タイプ、周辺を拡散タイプにすることで、光が広がる演出になっています。

 

 

レンジフードと連動式のビルトインガスコンロです。

火をつけると自動で換気扇が回り、火を消してから、一定時間経つと自動で換気扇が消えます。

 

 

 

水回り

洗面室は、持込いただいた鏡に合わせ、壁付タイプの照明としています。

室内物干しは人気のワイヤー式を採用したため、使わないときは簡単に収納できます。

浴室は、住宅で標準的な内側の寸法が１.６ｍ×１.６ｍのサイズです。

 

 

サブのシャワールームです。

 

 

トイレは部屋の幅を広げ、左手に手洗を付けています。

照明は人感センサータイプなので、スイッチ操作は不要です。

 

 

 

エントランス

玄関ホールには、容量を重視した下足入れを設置しました。

100足の靴収納とマルチ収納がついているため、家族全員の色々なものをすっきりと収納することができます。

玄関ドアはLIXILジエスタで、当社の標準である車と同じリモコンキー仕様なので、鍵を取り出すわずらわしさがありません。

 

 

照明は人感センサータイプで、周囲の明るさが５ルクス以下の時、人を感知した場合に１分間点灯します。

スイッチ操作が無いため、荷物で手が塞がっているときも快適です。

 

 

 

居室・廊下

収納については施主様が心配していらっしゃったので、すべての部屋にクローゼットを設けています。

それに加えて、ウォークインクロゼット４帖と、布団収納、掃除用具入れ、パントリールームを設けました。

設計上のデッドスペースが無くなるように、収納で有効活用しています。

 

なお、居室は全室フロアタイル仕上げとしており、壁紙と床のフロアタイルについては、打合せの中で施主様にお選びいただいています。

子供室についても、それぞれの部屋を使用するお子さんが選んでいます。

 

 

 

メンテナンス

工事としては、リノベーションに加えて建物のメンテナンスも行っています。

特に大切なのは、屋上やバルコニーの防水工事で、バルコニーは従来通りFRP防水ですが、屋上はもともとシート防水だったのを、継ぎ目を補強してウレタン塗膜防水としました。

 

ウレタン塗膜防水を選定した理由は、屋上に突起物が多く、シート防水だとジョイントが多くなり、耐水性が下がるためです。

複雑な形状や、動かせない機械が多い場合は、ウレタン塗膜防水が適しています。

 

 

断熱工事についても、不足している箇所を見つけたので断熱材追加や撤去再施工をしています。

断熱は、暮らしやすい住宅を建てるときに特に大事なポイントです。

たいていの場合、断熱性能は足りていない住宅が多いです。

 

今回の場合、最上階の天井の断熱材が全く足りていなかったので、全交換しています。

断熱材は、一カ所でも少ない箇所があると、そこが弱点となり全体の性能が下がってしまいます。

断熱改修を行うことで、夏の暑さ対策や冷房費用の削減につながります。

 

 

他にも給排水管のやり替え、防音処理までしっかりメンテナンスをします。

リノベーションは、見える部分はもちろん、見えないところもきちんと施工することが大切です。

ちょっとした性能の違いでも、長く快適に住めるようになります。