ケイカル1種アスベストの撤去(プロ向け)

  • 今回の記事は、建築・建設業界の方向けの専門的な内容となります。

 

公共工事等におけるケイカル1種(石綿含有けい酸カルシウム板)の撤去手順についての記事です。

石綿障害予防規則(石綿則)と大気汚染防止法(大防法)の一部改正を踏まえた内容となっています。

手順が煩雑であったため、施工者向けに主な項目とフローを分かりやすく解説します。

なお、『建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル』を元に作業計画を立てますが、監督官庁や監理者の指示を優先してください。

 

 

 

ケイカル1種について

比較的薄くて重く(厚 4mm~12mm)、一般建築物の天井材、壁材として使用されています。

外装では、軒天井材とその関連部材、準防火地域での軒裏などに使用されています。

分厚くて軽い場合(厚 12mm~70mm)は2種となります。

アスベスト分析にかけた際、レベル3と判定が出ている場合は、1種になります。

レベル2判定の場合は、2種となります。

 

 

作業時の服装

専用作業衣、及び電動ファン付呼吸用保護具が必要です。

写真はアスベストに対応したタイベック防護服とフットガードです。

作業衣はフード付きを手配します。

呼吸用保護具は区分①かつ指定防護係数300以上であること(面体が全面のタイプ)を確認します。

 

参照:『建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル』6.2「保護具等の取扱い」

 

 

養生(負圧無し)

ケイカル1種は石綿含有成形板のうち、特に粉塵が飛散しやすい特性を持ちます。

原型のまま外すのが基本ですが、切断が必要な場合は、隔離養生が必要です。

養生に用いるプラスチックシートは壁面t0.08以上、床t0.15以上を二枚重ねとなります。

継ぎ目は全面をテープでシールします。

着工前にバッテリーとフィルターを改めてチェックしておくことをお勧めします。

なお、隔離養生ではありますが負圧は不要です。

 

参照:『建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル』2.2.4「作業基準」

 

 

 

湿潤処理及び切断撤去

切断時は湿潤化し、飛散を防ぎながら、切断撤去を行います。

アスベストにかかる作業は資格保有者のみが対応し、無資格者は補助等も行ってはなりません。

 

 

 

清掃、養生撤去

除去作業が完了次第、真空掃除機(HEPAフィルター付)等を使用して、作業場内を清掃します。

隔離養生のシートを撤去したあと、更に仕上げ清掃を行います。

回収した廃石綿は、専用袋に二重に入れて処分を行います。

専用袋については、処分受け入れ先に確認しておくことをお勧めします。

 

参照:『建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル』4.2.3「石綿含有成形板の除去を行う場合」